欠かさずマッサージ。真央支え続けた母

観客席に手を振る銀メダルの浅田真選手=上田幸一撮影

浅田真央さんの母、匡子さんは、幼い頃から、寝る前に真央さん足の裏、太ももをマッサージしていたそうです。独学で学び、幼い頃から毎晩、欠かさずに続けていたとのこと。

多くの一流アスリートは小さいころから親に手伝ってもらったりして、足裏マッサージを行っていたようです。実は一流選手の共通点の一つだったのです。

毎日足の裏を刺激をすることによって足裏の感覚を鍛えていたのです。

4年間夢見た五輪が終わった。手にした銀メダルは欲しかった色ではない。
でも、一番最初にメダルを誰に見せたいかと記者に尋ねられると、答えた。

「お母さんです」

もしかすると、浅田真央選手(19)はフィギュアの選手になっていなかったかもしれない。母親の匡子(きょうこ)さん(47)によると、「もともとバレエをやらせたくて、足首の強化につながると思って始めた」という。

当時5歳。まさか14年後に五輪の舞台に立つとは夢にも思わなかった。

匡子さんは「24時間、365日、真央のことを見ている」。
その言葉は決して大げさではない。

あるトレーナーが大会中に、浅田選手のマッサージをしていて驚いた。「あれだけのジャンプをしているのに、筋肉がすごく柔らかい」

その秘密は匡子さんだ。「寝る前に足の裏、太ももをマッサージする」
独学で学び、幼い頃から毎晩、欠かさずに続けてきた。

匡子さんは一つ、決めていることがある。練習までは見守る。でも試合には行かない。

2006年、試合直前の6分間練習で、浅田選手が匡子さんの方を見てにっこりと笑った。「あれで、家にいる時の真央に戻ってしまった」。結果は3位だった。

この日、匡子さんはいつも通り、バンクーバー市内のホテルで祈っていた。「ある意味、もう自分の娘であって娘ではない。たくさんのみなさんに応援してもらって、あとは真央がいい演技をして恩返しをするしかないと思っていた。

日本にメダルを持ち帰れて、いい結果だと思っています」。親子でつかんだ銀メダルだ。匡子さんは「よくやったね」と言って浅田選手を抱きしめるつもりだ。(バンクーバー=坂)